オンライン秘書として継続案件を持つと、かなりの確率で頼まれるのが経理まわりのサポートです。「請求書を出しておいてほしい」「領収書の整理をお願いしたい」——小さな会社や個人事業主ほど、こうした作業に手が回っていません。
「経理は専門外だから」と身構える人もいますが、オンライン秘書が担当するのは主に「作業」の部分で、簿記の資格がなくても始められる範囲がたくさんあります。この記事では、経理サポートの基本と、ミスなく任されるためのコツを紹介します。
秘書が担当できる範囲・できない範囲
担当できる(作業) | 専門家に任せる(判断) |
|---|---|
請求書の作成・送付 | 税務上の取り扱いの判断 |
領収書・レシートの整理とデータ化 | 勘定科目の最終判断 |
経費精算の取りまとめ | 決算・申告書の作成 |
入金確認と未入金のリマインド | 税務相談への回答 |
会計ソフトへの入力補助 | 節税などのアドバイス |
この線引きを最初にクライアントと合意しておくことが、経理サポートを安全に続けるための第一歩です。迷ったら「顧問の税理士さんに確認していただけますか」とつなぐのが正解です。
1. 請求書発行:毎月の定番業務
最も依頼の多い業務です。基本の流れは、①請求内容(品目・数量・金額)をクライアントから受け取る、②請求書ソフトやテンプレートで作成、③クライアントの確認、④送付、⑤送付記録を残す、の5ステップ。
2023年10月からのインボイス制度により、適格請求書発行事業者であるクライアントの請求書には登録番号や税率ごとの消費税額などの記載が必要です。クライアントが登録事業者かどうかは、最初に必ず確認しておきましょう。
2. 経費精算:レシートを「流れ」に乗せる
経費精算のサポートは、散らばったレシートを決まった流れに乗せる仕事です。
・レシートは写真やスキャンで受け取るルールにする
・日付・支払先・金額・用途をスプレッドシートや会計ソフトに記録
・月末に集計して、クライアントに確認してもらう
ポイントは「用途」を必ず聞いておくこと。金額と支払先だけでは、何の経費かが後からわからなくなります。電子帳簿保存法の関係で、電子で受け取った領収書は電子のまま保存するのが基本なので、保存方法もクライアントの方針に合わせます。
3. 入金確認:地味だけど喜ばれる仕事
請求書を出したら、期日に入金されたかを確認するところまでが一連の業務です。入金管理表を作り、請求日・金額・支払期日・入金日を記録しておけば、未入金がすぐにわかります。
期日を過ぎた場合のリマインドは、相手を責めずに「行き違いでしたら」と添えるのがマナー。クライアントが言いにくい催促を代わりに丁寧に行えることは、秘書の大きな価値のひとつです。
ミスを防ぐ3つのチェック
お金に関わる業務は、小さなミスでも信頼に響きます。次の3つを習慣にしましょう。
・金額は二度確認:入力した後、元資料と1行ずつ突き合わせる
・送付前にクライアント確認:慣れるまでは必ず承認をもらってから送る
・作業記録を残す:いつ・何を・誰に送ったかを一覧にしておく
最初は請求書の送付だけをお手伝いしていましたが、入金管理表を作って未入金をお知らせするようにしたら、「経理全般をお願いしたい」と契約時間が増えました。地味な確認こそ信頼になると感じています。(オンライン秘書・2年目)
スキルを伸ばすなら
経理サポートを本格的に任されたいなら、日商簿記3級の学習が近道です。仕訳の基本がわかると、会計ソフトへの入力補助もスムーズになり、単価アップにもつながります。また、freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトは無料で試せるので、触っておくと応募時のアピールになります。
まとめ
オンライン秘書の経理サポートは、「判断は専門家、作業は秘書」の線引きさえ守れば、資格がなくても始められます。請求書発行・経費精算・入金確認の基本を押さえ、二度確認と記録の習慣で信頼を積み上げていきましょう。まずは今のクライアントに「請求書まわりでお手伝いできることはありますか?」と聞いてみるところからどうぞ。